東京地方裁判所 昭和43年(行ウ)147号 判決
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〔判決理由〕新法三六条二項により、証券業の不免許処分にはその通知書に理由を付記することが要求されているが、一般に行政行為に理由を付すべきものとする規定がある場合、その趣旨とするところは行政行為の慎重性、客観的合合理性を担保し、行政庁の恣意を控制するとともに処分の理由を相手方に知らせ、不服申立に便宜を与えるためであると解されるから、理由付記の不備があるか否かは、制度や法の趣旨に照らし、それぞれの事案ごとに合目的的見地より判断する以外にはないものというべきところ、本件不免許処分の付記理由が請求原因記載のとおりであることについては当事者間に争いがない。(付記理由 1 申請者が提出した「昭和四五年九月三〇日までにおける業務の収支見込み」について収支実績等を勘案して検討したところ、収入及び給料その他業務の執行上必要とされる経費が適正に計上されているとは認めがたく、これらについて修正を行なつた場合の収支の見込みは、良好ではない。これは、法第三一条第一号に定める免許の審査基準に適合していないものと認められる。2 不正取引及び役員の信用取引の隠ぺい、経費に関する役員個人との公私混同等の事実があり、また二回の行政処分を受けながら、法令軽視の経営態度が改善されていない。これらを綜合勘案すれば、申請者はその人的構成に照らし、業務を公正かつ的確に遂行できる知識、経験及び十分な社会的信用を有しているとは認められない。これは法第三一条第二号に定める免許の審査基準に適合していないものと認める。)
そこで、本件免許の基準を示す新法三一条各号ならびに審査基準通達の内容に、前記のごとき本件不免許処分に至つた経過などを総合勘案すると、右程度の理由付記であつても、いかなる事由によつて不免許処分とされたかを了知しうるものと認められるから、本件処分には理由付記不備の違法は存しない。
(高津環 牧山市治 上田豊三)